サラリーマンの田舎で安穏生活

サラリーマンと田舎暮らしの二足の草鞋

👨‍🌾昭和の体験、自家製麦茶作りの全記録!

夏を乗り切るための必需品である麦茶を、籾(もみ)を植えて、収穫して、自分で焙煎して作ってみようと。去年の秋から麦作を開始して6月にはたっぷりと金色の穂をつけ収穫時期を迎えた六条大麦「春雷(しゅんらい)」。

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種まきは、縁起がいいとされている「一粒万倍日」の昨年10月17日、そして収穫は、麦の収穫にピッタリの時期、七十二候でいう「麦秋至(むぎのときいたる)」の真っ只中、5月30日に行いました。

※「一粒万倍日」とは、一粒のお米の籾をこの日に撒くと何万倍にも実る稲穂になるということで、小さなものが大きく、または多くに育つという意味として、物事の始まりや仕事の開始などにも影響する日みたいです。

 

栽培は、まず籾(もみ)にこだわって固定種タネの販売で有名な「野口種苗研究所」の六条大麦「春雷(しゅんらい)」を購入。種子加工と種子消毒なしの種なので麦茶にしても安心かと。

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耕作地は5年くらい耕作放棄された土地を開墾し、自然農法で栽培したキャベツの跡地。そのため、残留農薬・残留化学肥料の心配が無いと思われる土地で栽培出来ました。

 

肥料は、穂数を増やして、穂を大きくするため、どうしても必要とのこと。そこで麦茶にしても安心して飲めるために、肥料の材料も「有機農法」のお米の米ぬかと、その籾殻を燻したもの(籾殻薫炭)を肥料の材料として購入。この材料を混ぜ混ぜして、完全に発酵させたものを、成長期の2月・3月に数回ずつ畑に施しました。

 

麦栽培と言えば、「麦ふみ」作業。麦の茎を敢えて踏んで折ることによって、水分を吸い上げる力を弱めて麦の内部の水分量を少なくして、寒さや乾燥に強い麦にするとのこと。また、踏むことによって霜柱が土を持ち上げて、根を傷めることを防ぐ効果もあるらしい。大きな麦畑ではローラーをつけたトラクターで麦踏みを行うみたいですが、うちでは、夫婦で仲良く、昔ながらの人の足で12月に約3回、1・2月に約3回、麦を踏み踏みしました。

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大麦の害虫としてはアブラムシが有名。春になるとアブラムシが集結して大麦の若穂を食い荒らすみたい。うちでも暖冬の影響か、3月にはもうアブラムシが付き始めました。この場面では、昨年ハクサイ栽培で効果があった「天然クサ液」の出番。木を燃やした時に抽出される木酢液と乾燥トウガラシ、焼酎でブレンドされた臭い液を撒いてアブラムシを退散させました。4月には、アブラムシの天敵テントウムシも集結して退治してくれていました。
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収穫時期の決定は、諸説あり。穂が出てから毎日の平均気温の合計が750℃を超える時だったり、穂が出てからおおよそ40~42日くらいだったり、大麦の粒の水分量が25〜30%以下になっていることだったりと。そんな時に決めてとしているのが地元の農業大先輩のアドバイス。普段はブラブラ散歩しているお爺さん達だけど、こんな時には頼りになる。「穂が揃ってきたな〜、刈り取りは来月の下旬じゃな〜」「おっ、茎も黄色くなったな!収穫は、来週の晴れの日じゃ」というような具合。

 

収穫後の乾燥のタイミングも重要らしい。大麦の収穫がちょうど梅雨入りの時期と重なる時期で、麦穂が雨に当たる発芽してしまう「穂発芽」という現象を起こして品質が落ちてしまうらしい。うちでは、刈り取った麦を昔ながらのハザ掛けにして天日乾燥をしました。

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脱穀は、「自動脱穀機」も、社会科の教科書でお馴染みだった昔ながらの「千歯こぎ」もなく、手作業で揉み揉み、一粒ずつ丁寧に脱穀。焙煎は、大量生産のための一般的な焙煎方法である「直火焙煎」や、「熱風」を当てる短時間焙煎ではなく、IHの低温でじっくりと、徐々に薄茶色になるまで約30分間の長時間の焙煎を行ないました。そして、ヤカンで煮出すこと約20分、六条大麦の香ばしさと旨み、香りを堪能しました。

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